【ゆるゆる検証】高橋ダンvs原油
ウォール街が生んだ日本一有名な元ヘッジファンドマネージャー改め元トレーダーの高橋ダンさんが現在大ピンチに陥っています。
9月6日、相性激悪になってしまった仮想通貨関係を「ここから2週間が買いタイム!」「イッツワンダフル!」とよせばいいのに全力買い煽り。
その後、仮想通貨全般が大暴落しました。
仮想通貨 下落 pic.twitter.com/fMeH3UJ4N3
— たけぞう (@noatake1127) 2021年9月8日
その直前、9月4日にはダンさんの代名詞ゴールドに関する「長期はともかくここからの数日間は上がると思うから僕は買うね!」と力強く宣言する動画も公開していました。
その直後、ゴールドは下落しました。
いつも通り長期視点だけで語っていたらよかったものを!
「今日も元気よく動画アップデートしていきます」というお馴染みの挨拶と裏腹に最近のダンさんの表情は冴えません。
本人もここまで曲げると気にせざるを得ないでしょう。
postprimeというSNSシステムを作ってここから更にBIGになっていこうとしている矢先にこんなチョンボをしていたらネットで急拡大を続ける反高橋ダン派が一層盛り上がるだけです。権威失墜近し!
ゴールドもうダメだ
— オレ的ゲーム速報JIN@FX・株投資部 (@oreteki_douga) 2021年9月7日
せっかく上がってたのに死神達が
ゴールド買いに群がって来て下落が止まらない😭😭😭 pic.twitter.com/iqD7cBjVlW
俺もお前も、この世のすべて偽物だ! pic.twitter.com/jCBc6rntEB
— ゼニガメ (@PeDfJ2MWA6kPYHu) 2021年9月3日
使ってええで
— 🧟♂️あんちまん🧟♀️ (@AntiShiteman) 2021年9月10日
〇〇、安全か?
〇〇の〇〇、××へ影響は?
〇〇、本物だ。
コモディティ価格とコモディティ株は必ずしも連動しないことはUSスチールやバリックゴールドの株を持って実感していたのですがまさか石油関連銘柄までそうなるとは悲しくてなりません。
エクソンモービルが値を下げる度にダンさんの嘲るような笑顔が脳裏に浮かんで怒りが湧いてくる事もしばしばです。
しかしここは一度発想を変えてみましょう。
自分が取り上げた時たまたま外しただけで、もしかしてダンさんは原油に関する相場観は凄いのかもしれないと。
ダンさんというとゴールド、仮想通貨、テスラ、そしてナスダックの四天王に対する曲がりっぷりが有名です。
しかし、考えてみればダンさんは自称85年生まれで30歳で自称ヘッジファンドを売却した人。
2015年当時といえば仮想通貨は今ほど上がらずテスラもイケイケでなく、ナスダックもここまで異常な強さを見せていませんでした。ダンさんがヘッジファンドにいた感覚でこれらを触っていたらそりゃ普通に大損してもおかしくはありません。
ゴールドを外している事についてはノーコメントでお願いします。
これを考慮するにダンさんがヘッジファンドにいた頃も原油はバンバンと取引される商品だったわけで、ダンさんが現役でトレードしたり分析していた可能性は十二分にあるわけなのです。これは当たる気がしてきたぞ!
さっそくダンさんの原油に関する動画をサーチすることにしましたが、高橋ダンchの動画総数があまりに多すぎて一つ一つ拾っていく時間は到底ありません。
そこで「高橋ダン 原油」という検索ワードで引っかかった動画の内、2021年内に投稿されたものに限って検証していきたいと思います。
といってもそれでも30本あるため骨が折れる作業には変わりありません。
幸いダンさんの動画は後半2、3分だけ見れば彼の相場観が分かるのでそこをさくっと聞いてチャートと照らし合わせていきたいと思います。
さっそく動画を見返していると一つの事実に気付きました。
なんとダンさん、年始から現在まで一貫して「原油は長期的に買っていくべき!」と発言しているのです。
原油は皆さんご存じの通り今年上昇基調。
年始48ドルだったのが現在72ドル近辺まで上がっているのです。
ダン信者の言う「ダンは長期では当たる」と言っていたのは原油に関しては間違いではなかったのです!
sorry ダン!!
しかし皆さんが気になっているのは長期じゃなくて短期的相場観の部分でしょう。
長期投資家と言っておきながら毎日数本の動画を上げて右往左往するダンさんの不誠実さを皆がおちょくっている事は十二分に承知ですから。
この短期部分でも実はダンさん、結構長い期間同じ方向性でトレードを示唆していたことが判明しました。
イメージだと動画を出す度に売り買いをガチャガチャいじくり回してそうでしたが、こと原油に関してはそれは少なかったのです。
これはガチで原油トレーダーとして有能なのか・・・?
まずダンさんは今年の1月27日までは短期の買いを推奨していました。
多少チャートが落ちても恐れずホールドしろとなかなかの強気コメント。
その期間のチャートがこちら。
サンキューダン。
年始からの上昇を完全に読み切った分析力と相場観。
月後半はちょっと上値が重たくなっていますがこれだけ急ピッチで上げたらそうなってもおかしくありません。
この上値の重さに何かを感じたのかダンさんは1月27日の「原油と銅、下落リスク高まる」という動画を出します。
ここでダンさんついに方針転換。
これがどこまで続くかと言うと3月5日までです。
HOLY SHIT!!!
ダンさん1月のスーパートレーダーっぷりを吹き飛ばす超大失敗です。
この上昇チャートに空売りで挑んでいく姿勢はナスダックの相場観と全く変わりがありません。
「そんなこと言っても少しは損切りくらい示唆してるだろ」と思ってる方もいるかと思いますがマジに3月5日まで短期はほぼストロングセル推奨なのです。マジマジ!
それどころか「上級者はアジアオイルの売りの方がいいかもデス」と各レベルに応じた原油空売りまでレクチャーしています。どんだけ空売り好きなんだよダン!!
あまりのやらかしっぷりにダンさんは3月5日、ある動画を出します。
責任をOPECに全てなすりつけようとしている姿勢がステキです。
しかしタイトルと裏腹に動画内では「売り玉を半分だけ損切りしろ」と完全敗北までは認めていない様子。
ロットを減らしてまだまだ売り浴びせにいけという事でしょうか。
短期目線だったものがどんどん中長期目的になってくる所を見ると負けパターンにしか見えないぞダン!
しかしこの後、ダンさんに奇跡が起きます。
なんと本当に原油が下落を開始。
3月20日の動画では「ボクもここまで下がるとは思っていなかった」と深刻に語りつつ笑いがこらえきれない様子のダンさんの姿がそこにありました。
ダンさんが売りポジ減らしたから下落したんじゃねえかとツッコミたい気持ちはありますが、これに気を良くしたのかダンさんはまたしばらく空売りを推奨します。
しかし空売りを推奨していたダンさんは4月15日に「原油5%高騰!買うべきだ!」という動画でいきなりの買い転換。6月末日まで買い推奨モードになります。
このスピード感、ダンさんファンにはたまったもんじゃないでしょう。
さて、では本当に相場はダンさんの考えるとおりに転換したのでしょうか?
サンキューダン
空売りのやらかしを見事に帳消しにするスーパーアナライズを見せました。
これ空売りとか考えずにただ買ってたら別に困らなくていいんじゃねえかと気付いたあなたは正しいですが、どんな些細な上げ下げでも取りにいくのがダンさんの短期トレード流儀です。
ここまで来て私、あまりのダンさんの凄さに身震いがしてきました。
原油におけるダンさんの相場観は本当に世界のトップクラスなのかもしれない。
正直ネタ記事を書いてしまったことを若干後悔し始めています。
ではここからのダンさんはどうアナライズしているのか。
皆さん驚かないでください。
今現在まで空売り推奨です。
はい、二か月間空売り示唆です。
マジですマジ。
「原油が爆上げ、OPEC合意決裂、チャート危険?」(7月6日公開)
から
「NY原油が続落、エネルギー株も危険?」(9月10日公開)
までずっとチャートは危険だの買いたくないだの言ってます。
そんな中「原油は最悪なチャート、売る時」(7月15日公開)の動画ではタイトルで売りを断言しておきながら動画内では「原油ではなくナスダック空売りを勧める」と平然とタイトル詐欺をかましていました。
お前どんだけナスダック嫌いなんだよ!!
そんなチャートがとてもデンジャラスとダンさんの言う原油チャートは7月以降本当にデンジャラスだったのか見てみましょう。
おっ・・・?これはサンキューダン案件ですか・・・?
なんと7月くらいから原油は下落基調。
8月後半からの上げが大きかったのでダンさん原油外してるイメージが皆にこびりついていますが、中期的には下げをしっかり取りにいけているのです。
なんかすごい微妙な値幅ではあるけど一応そうしておこう!
ただ、なんにせよ今は底値から力強くリバウンドしているのでダンさんはイメージ悪化を避けるためにもさっさと買い転換動画を出すべきだと思います。
ここまで見てきた上げ下げ局面、5ステージ中なんと4ステージがそれなりの好結果になりました。
そう、ダンさんの原油に関するアナライズは中期長期では当たりやすいのです。
ナスダックや仮想通貨のノリでダンさんの原油に逆張りするのはちょっとやめたほうがいいかもしれません!!
さて、こんな感じで原油に対する優秀さが出てしまったダンさんですが株クラの中では予想外してるイメージが強いです。
それは原因はずばり「動画の出しすぎ」です。
相場は上げ下げを繰り返しながら上昇したり下落したりするもの。
ダンさんの売りが正しくても、売り推奨動画を出したあとにリバウンドが発生したらやっぱりイメージが悪いです。
7月から空売りです、とだけ言っておけば済むものをそこからダンさんは動画9本も出しています。
上記チャートでいうとリバウンド発生点が7/22(65→74ドル)、8/10(65ドル→70ドル)、8/23(62ドル→現在まで)の三回あります。
この直前ダンさんは
7/20「原油が8%急落!」
8/9「原油4%急落、売るべきだ」
8/20「NY原油18%急落」
と空売り推奨動画を上げているのです。
8/23は日が空いてるじゃん、と思われるかもしれませんが23日は月曜なので前営業日は20日になります。
とまあこう直前に売り推奨動画を出してリバウンドされるとイメージも悪くなるし、空売りの平均取得価格も下がる危険性もあります。
タイミングによっては多大な含み損喰らってるダンさんファンもいるかもしれません。
というわけでダンさんは原油の動画を出すときはもっと動画投稿間隔を空けたり、短期と言わず中期長期の視点のみで語ってみたりするのがブランド維持の観点から必要なのではないでしょうか。
ダンさんの原油トレード本、発刊待ってます。