【殴り書きライブレポート】ノリアキXmasスペシャルライブ「THE REAL TIME」
皆様はノリアキというミュージシャン、いや、アーティストをご存じでしょうか。
一世を風靡した「うんこ漢字ドリル」の作者、古屋雄作氏がかつてプロデュースしたこの男。
まあ言ってしまえば冗談宗教ならぬ冗談アーティストなのですが、当時流行り始めていたニコニコ動画の暇人達に見事に見つかり、一躍カルト的人気を得ました。
そのへんにいそうな眼鏡男子なのに妙に気になってしまうカリスマオーラ、油断してるとついハマってしまう音楽センス、そして至極の名言集。
ニコニコ動画の歌い手文化より更に前に存在した、インターネットミュージック業界の伝説。
「エミネム、ジブラも全部フェイク!」という超有名パワーフレーズを生み出したこの『unstoppable』が一般的な代表曲でしょうか。
このフェイクフレーズから生まれた「ノリアキ=リアル」路線に乗っかり、ファンや信者の中ではノリアキのあらゆる部分を「ノリアキはあえてこうやるからREAL」、「〇〇はこうはできない、それがノリアキとの差」と過度に神格化する流れが形成されました。
しかし惜しまれつつノリアキは2008年に活動休止。
しかし彼の残したリアルは10年以上時を経た今も燃え続け、上記の『unstoppable』の再生数は300万回を超えました。
私が2019年に見た時はおめでとう100万再生だったのに。
どうもDJコーヒー豆ことブライアン氏が紹介してより多くの人の目に留まったようです。
さて、そのノリアキがなんと「コロナウイルスと戦う全人類のために立ち上がる」と一夜限りのクリスマスライブ開催を告知!
10年以上のブラン・・・もとい修行を終えて帰ってきたノリアキはどんなリアルを私たちに見せてくれるのか。
いや、我々も彼の中にあるリアルを見つけ出さなければなりません。
ノリアキが格闘家なら我々も格闘家。
これはライブという名の「真剣勝負」です。
この放送のスーパーチャット(スパチャ・投げ銭)は全額ノリアキの懐に入るということで本放送前から投げられまくりです。
500円や1000円台のスパチャが多めというリスナーのリアルな懐事情が垣間見える中、時折5000円を投げる小金持ちがいるのはまさにリアル人間社会の縮図。
社会学者はフィールドワークをしたかったら街に出向くのではなく、ノリアキのチャット欄を見て研究すべきだと思います。
さて、そうこうしている内に21時になりました。
しかしなぜか放送が始まらず、ノリアキのロゴがただ佇むのみ。
演出なのかガチにyoutubeLIVEの仕組みがわかってないのか、それかノリアキが緊張のあまり吐きまくっているのか?
そうこう思いながら待っている内に21時5分が来ました。
いきなりコロナウイルスのニュース映像が次々流れるというオープニング映像が開始!
ノリアキvsコロナというテーマを否応なしに我々に意識させます!
いよいよリアルが我々の目前に姿を現します!
そして予告編に出ていた野原の向こう側からノリアキがのしのしと歩きながら登場!
ポーズをとってのタイトルバック!
晩年のジャイアント馬場を見るかのようです!
しかし馬場氏も本気を出せば誰も止められないと恐れられた男。
ノリアキも同じく、見た目だけで実力は測れません。
ドラムセットが写る中、流れ出したのはあの「unstoppable」。
PVが背景で流れる中「あれ、もしかしてこれPV垂れ流しする気なのか・・・・?」と懸念する中、毛皮のコートをきたノリアキがいきなり登場!
そして歌唱!
あれ!?昔より上手くなってる!?
その昔早稲田の大学祭でライブをやったとき、息切れしすぎて観客に応援されていたノリアキの姿はそこにはありません!
続けざまに2曲目!
名曲「スカイフィッシュ」です!
あれ!?やっぱ上手いぞ!?
私、無礼にも一瞬口パクかと思ってしまいました!
リアルを疑ってしまった自分のフェイクな部分を恥ずかしく思います。
このあたりからノリアキも本調子になってきます
「喉の調子が出てきたところが最高にリアル」という秀逸なコメントが飛び交います!
そして途中からノリアキは赤いマラカスを振り始めます!なんだこの豪華演出!
テンポがあってるのかどうかわからない微妙なリズムがまたリアルです!
曲終了後、ゴホゴホ咳をしながら無言でお茶(特茶)を飲むノリアキ。
4曲前後のセトリだったため体力切れが心配されましたが、ここでフリートーク開始。
「久しぶりー!みんなの前に出てくる理由は今年コ↑ロ↑ナ↑がとんでもないことやってくれたからね、これで動かなかったらノリアキじゃないよね」とファン感涙の言葉が飛び出します。
「あ?なに?チャット見ろって?」と古屋氏からの指示を真摯に聞くリアルというより生々しい生放送の裏側を見せる場面もありましたが、チャットを読み上げるというファンサービスを開始しました。
「リアル成分をみんなで感じてもらったら嬉しいよ」
「トレンド入りしたらしいよ、えー?トップワンじゃないの?まあスタッフ盛り上がってるからいいや」
余裕を見せるノリアキ。帽子とサングラスを脱いでの3曲目は「デビュー」。
イントロから謎に安定した歌唱力を発揮します。
「君のデビューを待っている」と画面に指をさしながら歌ってくれるノリアキ。
ライブハウスだったら失神者が出ちゃうぞ!
ちょっとCメロの高音を外してしまうリアルも見せつけながら、動じる事なく堂々と歌うノリアキ。
バックの演奏の薄さを全く感じさせない出来です。
この後またトーク。
「世界の皆と、最前線で戦ってくれる医療従事者に捧げます。
ノーリアルキー」
ここで告知にあった新曲の公開!
少しがさついたレコードの音をしながらバラード調のリズム。
フウウ!というファルセットの後、ピアノを弾き始めるノリアキ。
ピアノがリアルかフェイクかはわかりませんが、ノリアキが触ってるんだからリアルなのでしょう。
サビは今までのノリアキの曲の中で一番分厚いコーラス!
ちょっと歌詞を忘れて小声になっちゃうノリアキですがコーラスのカバーで挽回!
ライブ特有のリアルさを出しながらしっとりと歌い上げるノリアキ。
ちょっとリアルを追求しすぎて、その辺にありがちなJPOPみたいな雰囲気になってるのがコアなファンの中で今後賛否両論を巻き起こしそうです。
しかしノリアキが目の前で生で歌っている現実。今はそれだけでいいんだと思います。
「このPVはライブ配信後に公開します。コロ↓ナ・・・・あっ、コ↑ロ↑ナ↑と戦う全ての人に捧げる曲です」
油断してコロナのイントネーションが怪しくなるところもリアルです。
ここで再びチャットを読み上げるノリアキ。英語圏や台湾からもコメントがきているそうです。
「えっ、5万ってチャットあるんだけど」と嬉しさを隠せないリアルな反応を見せながら最後の曲を披露するノリアキ。
もちろん最後を締めるのは「だれか俺を好きになれ」。
和製weezer、ノリアキ。
しかしここでサーバーが物凄いラグを発生させます!
ノリアキの声が途切れ途切れに!
「ラブミー!」のシャウトがカスッカスになるノリアキの声がたまに聞こえます。
「サーバーの脆弱さもリアル」「ラグがリアル」
鍛えられたノリアキのリスナーは動じません。
これがリアルに魅せられた者たちの力です。
「今日はありがとうございました!」
そういってそそくさと退場するノリアキ。
この去り際もリアルです。
バックには「誰か俺を好きになれ」のカラオケ音源・・・・・・。
するとチャット欄でアンコールコメントが流れる中リアルな私服姿のノリアキが登場。
「4曲前後と言ってたけど本当に4曲しか持ってきてないよ。マジになにも用意してなかった」とリアルに焦りながらなぜかジングルベルを英語で歌い始めるノリアキ。
八割方歌えていません。
しかしこの海外リスナーの事も考えてのスタンダードナンバーでしょう。
コメント欄も暖かいコメントが流れます。
歌い切ったノリアキは「ありがとう」といいながら再び退場しました。
・・・・しかし三度ノリアキ登場。
「『誰か俺を好きになれ』の時に回線落ちてたみたいだからもう一回歌うわ」とリアルな男気を見せるノリアキ。
どこまでも熱く、リアルなカリスマです。
そして二度目の「誰か俺を好きになれ」
なぜちょっとウィスパーボイスでAメロを歌うようにしたのかわかりませんが、喉の調子の問題でしょう
「スィべリアの導火線」とちょっとネイティブ発音になるのはジングルベルの影響なのか。
ギリギリの喉の調子でも最後のシャウトまで歌い切ったノリアキ。
「ラストいくぞー!ヒカキンみてるかー!」
なんと超かっちょいいリミックスのアンストッパブルが流れる中四度目の登場!
いつのまにかサングラスと帽子もかぶっています!
そしてヒカキンへの宣戦布告。この男にとってはヒカキンもフェイク。
商品紹介せずとも自己紹介するだけでミリオンを稼ぐ男、それがノリアキだからです。
流石に歌うのが苦しくなってゼーゼー言ってますが、それでも歌うノリアキ。
「10年前と肺活量が変わってない」というフェイクにまみれたチャットは無視です。
歌い終わった後姿勢を正し、声のトーンを落とすノリアキ。
「はい、皆さんありがとうございました。コロナ対策として今後もちゃんと手洗いうがい、極力人と会わないようにご協力お願いしますね」
ノリアキのリアルノリアキの部分が出るリアルメッセージが出ました。
無責任男植木等が実生活では真面目だったように、ノリアキも素で真面目なんだと思います。
これからはノリアキの楽曲を作曲編曲した人のチャンネルでノリアキの楽曲を弾き語った動画などが公開されるとのことです。
スタッフの拍手の中去って行ったノリアキ。
彼の伝説はここで一旦終止符を打たれたのでしょうか。
いえ、これからも人類の危機が訪れた時、彼は力の限り歌い我々にリアルと未来を見せてくれることでしょう。
我々が希望を捨てない限り、リアルは生き続けるのですから。