睡眠時無呼吸症候群の検査を受けた①~初診~
皆さんは睡眠時無呼吸症候群(通称SAS)をご存じでしょうか。
簡単にいうと寝ているときに呼吸が10秒以上止まることが1時間あたり5回以上発生することが睡眠時無呼吸症候群の定義らしいです。
単に呼吸が止まるだけでも大問題ですが、眠気による居眠り運転や高血圧、糖尿病といった合併症を引き起こす危険性もありうる非常に困った病気です。
特にいつ糖尿病になるかと言われながら今まで糖尿病にならずにすんでいる私にとって、この合併症リスクはとても恐怖なのです。
そもそも、睡眠時無呼吸症候群ではないかと指摘を受けたのは今年の8月。
高校時代からの友人Kくんと岡山の蒜山高原に1泊2日のGO TO トラベルをしにいった時です。
旅行自体は非常に楽しく満足したのですが、問題は1日目の夜に起きました。
その日の夕食にたらふく酒を飲んだのもあり、私は先に寝床についていました。
遅れてKくんが寝ようとしていたところ、ふと私を見ると呼吸が止まっていたそうです。
その後さらに変ないびきをかいていたのもあり、Kくんに叩き起こされました。
K「お前やばいぞ。無呼吸や。絶対に無呼吸。俺のハゲ親父も無呼吸持ちで今のお前みたいないびきかいてたわ。」
いきなりそう言われて困惑しましたが、後々になりSASについて調べているといくつか身に覚えのある症状を発見しました。
・自分のいびきで目を覚ましたことがあること
・夜中に変に目が覚めてしまうことがあること
・メタボ気味
・起床時の身体の重み
・口呼吸が常態化している
まとめると幼いころから常態化した口呼吸癖が巡り巡ってついにSASに結びついてしまったということです。
私の家系は鼻炎持ちしかおらず、私も昔から鼻づまりに悩まされていました。息苦しさを改善するために口で呼吸しているうちに歯並びも上顎前突気味に変形し(いわゆる出っ歯)、顔も下膨れのいわゆるアデノイダー男子(チー牛)になってしまったわけです。
睡眠時の口呼吸を直そうと口に貼るテープを使用したりもしましたが、朝起きると口腔内が以上に渇いており水を飲まないと咳が止まらない状態になってしまうため、結局元の口呼吸睡眠に戻ってしまう事が常でした。
鼻炎が憎い!口呼吸が憎い!と今更思っても後の祭り。
外科手術なり歯列矯正なりは置いといてまずはこのSASをなんとかせねばなりません。
とりあえずツイッターでこの悩みを吐露してみると、フォロワーさんから心優しいリプライが来ました。やっぱり悩んでる人結構いるんだなあと感じました。
そのフォロワー曰く「日帰りで入院して酸素濃度測ってくれるからそんなに検査自体長くかからないよ~」とのこと。
丁度遅めの夏季休暇を取得する前ということもあり、検査入院を申し込むかと睡眠外来のあるクリニックを探すことにしました。
9月15日、目星をつけた一つのクリニックに行きました。
「お気軽に予約してくださいね」と書かれていましたが、平日真昼間だから空いているだろうと安易に考え、予約はとりませんでした。
すると病院内は満杯!
どんだけ睡眠障害抱えてる人が多いんだと思うと共に現代の闇を覗いてしまった感がありました。
外来の待合室で初診問診票を書きつつ30分くらい待ったら診察室に通されました。
意外と早いなあと思いながら女性のドクターに問診を提出。
「最近眠りが浅いんですね~」などと話しながらカウンセリングを受けていると、「あれ、これこのまま睡眠薬かなにか出されて終わりになるんじゃないか?」と一抹の不安を覚えたので思い切って前述した睡眠時無呼吸症候群ではないかと言われた話をすることにしました。
女医者「はー、その友人の方も睡眠時無呼吸症候群なんですか?」
私「いえ、どうも親が無呼吸症候群らしいです」
女医者「なるほど・・・・じゃあ検査する方向でいきましょうか」
おいおい展開早いな、といった感じで驚きましたが「では○○先生のカウンセリングまでお待ちくださいね~」と待合で待つように指示されまた10分ほど待ちました。
その後、また診察室に呼ばれると男のドクターが座っていました。これがさっき言ってた○○先生なる者か。
マスクをしている私に「マスク脱いで口の中見せてください」と指示する医師。
マスクを脱いだ途端私の口元を見て「あ~これは」という目をしたのでやっぱ重症なのか?と心配になりつつ、歯科でやるように口を開け口腔内をライトで照らされ観察されます。
するとPCを操作してパワーポイント資料を出してくる医師。
中には人間の顎の形状について書かれたものが。
男医師「これが無呼吸症になりやすい人の特徴なんですがね、うどんさんはこの上顎突出タイプですね。一目見て分かりました。」
私「そうですか、歯科にいくとたまに言われたりしてたからちょろっと自覚はしてました。(ちょろっとどころの自覚ではない)」
男医師「このタイプは顎が小さいのもあって骨格が気道を狭める傾向にあります。これが息苦しさや無呼吸の原因になります。」
正直上顎突出といっても「いや~俺出っ歯なんだよねえ」とかネタにするくらいで今まで悩むこともなく生きてきました。
しかしまさか呼吸にまで悪影響を及ぼす可能性のある重いものだったとは。
口呼吸を治さなかったかつての自分の怠惰を改めて恨みました。
更に言うと鼻炎家系に生まれた自分の境遇でさえも。
男医師「無呼吸の可能性は考えられますから、今後入院検査も含めてしっかり診察をしていきましょう。ではまず、検査室で肺活量を測ります。」
そういって検査室に移動するとそこには先ほどの女医師と機械につながれたチューブのようなものが。
大昔に耳鼻科に通っていた頃にこういう機械から謎の気体みたいなものを鼻に注入されていたなあ、と思っているとまず口をシールのようなもので塞がれました。
女医師「ではまず鼻の通りを調べますので鼻で普通に呼吸してください。片方ずつ調べていきますよ。」
鼻で普通通りに呼吸・・・・?
口呼吸メインで鼻を使う意識に乏しい自分にとっては鼻だけで呼吸しろっていうのがまず普通ではないんですが、検査なので頑張って呼吸してみました。
特殊な鼻の息を測る機械を片方ずつ鼻の穴に突っ込まれて調べました。
左の鼻は特に問題ありませんでしたが右の鼻は「ピゴー、ピゴー」と見るからに詰まってる音を出しており、測定中息をするのが苦しかったです。
女医師「右の鼻が結構詰まっていましたね」
私「そ、そうですね・・・(恥ずかしい)」
女医師「では次は肺機能検査を行います」
え、こんなのもやるのと驚きました。
病院で「いや~無呼吸みたいなんで入院検査してもらえませんかね!?」と言って入院して終わりと思っていたら予想以上に様々な検査があって、それだけこの病気は深刻なものなのだと気づかされることになりました。
肺機能検査は二種類ありました。「肺活量測定」と「努力性肺活量測定」。
このHPで図が載っているように鼻をクリップで閉じ、口にホースのようなものを突っ込み計測します。
肺活量は普通に息を吸って息を吐き切り計測するものだったので苦も無く終わったのですが、問題は努力性肺活量の方です。
大きく息を吸い込むまでは同じですがそのあと「強く早く」息を吐いてくれと言われ困りました。
息を強く早く・・・・?運動もさせずにこの場で突っ立ったまま・・・・?
そもそも惰性で呼吸をしているような人間に強く息を吐くという感覚はピンときません。
二回くらい行いましたがあまりにも息が弱すぎたためか、上記HPの「吐くときの息が弱い」ケースのように幼児の落書きのようないびつな円グラフが形成されてしまいました。
女医師「もう一回頑張ってください」
私「あの、なんかコツってありますか」
女医師「・・・機器と唇を密着させてください」
息漏れというよりそもそもの肺活量が問題なんじゃねえのか、と言いたい気持ちを抑え三回目のトライ。
三回目も自分的にはやっちまった感しかありませんでしたが、ギリセーフなグラフができたそうなので、これで無事肺機能検査もクリアしました。
また待ち合いで待つよう指示されるとあれだけ院内にいた人たちは誰もいなくなり、客は私一人。
長くかかっちまったなあ、と思うと職員の方から「時間外加算になって料金が上がってしまうので先にお支払いをお願いします」と呼びかけられました。
なんて良心的。
最近の病院にしては珍しく現金しか対応できないところでしたので、クレカ派の私はなけなしのキャッシュで支払いを済ませました。
しばらくするとまた診察室に呼ばれました。男医師が紙を広げています。
男医師「検査入院前に自宅で睡眠時の血中酸素濃度を測ってもらいたいと思います。計測機械はレンタルになりますのでこちらのレンタル申請書に記入をお願いします。」
出された紙には「帝人ヘルスケア株式会社」の文字。
私、以前に病院関係の仕事を少し手伝っていたことがありまして、その時肺疾患の患者さんの在宅酸素治療機器の貸し出しに関する事務手続きを帝人ヘルスケアの担当者と毎月やっていたのです。
まさかその自分がこんなに早く呼吸の疾患(疑惑)検査を受ける立場になるとは・・・。
そうこうしている内に書類記入は終わり。
数日後にはクロネコヤマトが帝人のパルスオキシメーターを届けてくれるとのことでした。
男医師「じゃあ最後に入院日を決めましょう。22日以降なら空いてますよ。」
私「(案外早いな・・・・、てか来週じゃねえかよ)。じゃあ(9月)26日でお願いできますか?」
男医師「26日の月曜日ですね。」
私「・・・?26日は土曜日ですよ。」
男医師「あ、すいません。予約は10月の22日以降でしたら空いてます」
なんと入院は一か月先まで予約で一杯。
皆そんなに無呼吸に悩んでいるのかよと恐ろしくなりました。
日中仕事をしている身としては金曜土曜に一泊入院がベターだったのですが、「そこに限れば三か月先まで一杯です」と渋い状況を言い渡されたので、とりあえず一番早い
10月22日(木)の予約をとってようやくこの日の診察が終わりました。
かれこれ一時間以上かかったため、病院を出たころにはすっかり心身が疲れ果てていました。
本当に自分は無呼吸なのか、もし無呼吸だとしたら今後どんな治療が待っているのだろうかと不安な気持ちを抱え家路につくことになりました。
しかし、この時の自分は当然知る由はなかったのです。
この先、自分の想像を超える検査結果が出ようとしていることに。
続く